遊漁船とコロナウイルス
コロナウイルスの感染拡大が懸念されていますが、釣り船は意外にも三密を避けることができます。元々、オマツリ(隣近所で仕掛け、糸が絡み合うこと)防止のため、十分に間を空けて場所を取る習慣がある。船のエンジン音が大きくて会話がしづらく、お喋りが控えめ。船上はもちろん風通し抜群です。ただし、キャビン内は典型的な三密となるため、移動中も外で過ごす工夫が必要でしょう。
ただし、昨今の自粛ムードのなか、その煽りを大きく食っている業界であることは間違いありません。これも三密の誤解から、今後は緩和されていくことを期待しますが。
そして、自粛ムードとはいえ、あくまでこれは客側の気分によるもの。基本的には営業を続けている遊漁船が多いです。人気のある遊漁船も最近は予約が取りやすく、逆にチャンスでもあります。コロナ問題ビフォー・アフター変わりなく初心者でも快く受け入れてくれます。
遊漁船の選び方
まず「遊漁船 都道府県名」でグーグル検索すると多くの船の情報が上がってきます。釣りたい魚種や釣り方などが決まっているときは、「遊漁船 東京 鯛」などで検索してみてもいいでしょう。多くの船は釣果情報をブログに掲載しており、これを見て近況を確認していくと、自然と乗りたい船の候補が決まってくるはずです。さらに、グーグルカレンダーで出船情報を公開している船も少なからず存在し、釣座の空きを確認することができます。料金、時間など基本的な情報は遊漁船のホームページに記載されていることが多いです。
遊漁船に電話予約
遊漁船の予約は、ホームページなどに記載されている電話予約でとることになります。常連客向けにはLINEやショートメールでの予約受け付けをしている船もありますが、基本的には電話予約の船がほとんどです。船長は、一般的なサラリーマンなんかと比較して自由な人生を歩んで来られた方が多く、電話での応対に違和感を覚える場合も正直ありますが、経験上、皆いい人たちでした。ただし個性の強い方が多いです。

船長から要件だけはきちっと聞いておきたい
集合場所、時間、だけでなく、特に初めての遊漁船は駐車場の状況確認が重要です。夜明け前に集合の場合、真っ暗で知らない場所に駐車しなければなりません。グーグルマップの衛星写真などを見て、当日スムーズに停めれるようしっかり確認をしておくと安心です。
タックルと仕掛けを船長に確認
そして、タックルや仕掛けの用意も船長からしっかり聞いておかねばなりません。
まずは遊漁船のホームページやブログに最近のタックルや仕掛けが載ってある場合があるので、ある程度予習をしておいたほうがいいです。その上で、船長に最終的に確認をしていきましょう。また専用竿が無い場合、代用竿の相談も船長にしておいたほうがいいです。レンタルタックルを希望する場合も、予め要望しておかないと、当日準備ができない場合もあります。
仕掛けは、一般的な釣具屋で売っているものの使用可否をこれも電話予約時に船長に聞いておきましょう。仕掛けは船内販売している場合もあり、ほとんどの場合、自分で釣具屋で買ったものより、釣果が良いように思います。仕掛けの船内販売があるかどうかの確認もしておきましょう。
特にオモリ関係は自分で用意しておく必要があるケースが多いです。
ただし、一般的な常識(関西地方)として、ジギング、イカメタルのルアーの船内販売は見たことがありません。タイサビキは船内販売のケースが多いです。そのほかの釣りも初めての船の場合は、念の為、確認しておきましょう。
よくあるタックル、おすすめロッド、リール
明石ジギング
明石ジギングはスピニングとベイトの両方の準備がベストで、いずれか一方を選ぶならベイトです。ブリ族(ツバス、ハマチ、メジロ、ブリ)のほかサワラ、サゴシもヒットします。
ベイトタックル
まずはベイトから。
水深は浅いですが激流時間が長いので、ジグは重めです。ジグウェイト150~200gの出番が多いです。遊漁船によっては300gが必要な場合もあります。水深は30~50mぐらいが多いですが、もっと深い場合もあります。それでもこのあたりでは100mを超すポイントは無いはず。ラインは200m以上でOK。
ロッドはメーカー指定のジグウェイトで対応できるはず。ただしベイト一本でやるなら200gでもしっかりシャクれる硬めの竿がいい。
明石大橋の南ケーソンの東側が恐らく一番条件がきつく、それなりに釣れるポイントです。ここはわずかな潮止まり除きほぼ激流で、根掛りが強烈。ここの攻略を基準にした、ベイトタックルの構成を考えておくと良いです。スピニングタックルで挑む上級者もいるかと思いますが、私のレベルではまず無理。
ラインが太いと底が取れないので注意、目安はPE2号前後、フロロカーボン8号ぐらいでドラグは少し締めてます。リアフックは無し。底取り遅れると速攻根掛りです。そもそも、このポイントにおいては、なるべく底取りするなという指南もあります。よく見るリールはシマノ オシアジガー1500、オシアコンクエスト300といったクラス。オシアコンクエストCT300もおすすめで、水深把握できれば、ある程度カウンターで底を見切ることができます。
タチウオパターン
秋は通称タチウオパターンと呼ばれる、明石大橋の周辺でやるスロージギングぽいシャクリ方が多くなりがちです。この場合は、ジグウェイトに対してロッドを柔らかめに設定して、ジグが跳ねない(横に寝かせない)ようにします。タチウオの動きです。シルバーのロングジグを使います。ベイトタックルでやります。
スピニングタックル
ジグウェイト80~120gぐらい。鹿ノ瀬と呼ばれる淡路島北部の西側海域でスピニングの出番が多くなります。30m未満を攻めることが多く、例えばアンダーハンドでキャストして、斜め引き、ジャカジャカ巻きで誘います。釣れるパターンは色々なので、当日試すしかありません。ただし船長はある程度「答え」を知っている場合もあり、聞いたら教えてくれることもあります。潮が早かったり、水深が出てきたらベイトタックルに持ち替えます。
サゴシとサワラによるラインブレイク対策
サゴシ、サワラ狙いの場合、極太フロロの使用でブレイク激減、ランディング確率上がります。
アシストフックはワイヤー入りあるいはザイロンを使います。ワイヤー入りはフッキングミスが目立つものもあり、青物の釣果が下がることがあります。アシスト工房のサワラ用ザイロンなどが理想ですが、あまり売ってない。
リアフックが使える海域では、スプリングなどで接合を金属のみにする作戦もあります。ただし、サワラなんかは中層、上層部で、フワッとしたジャークの動きに食ってくる。この動き、リアフックにショックリーダーが絡むテーリング(エビ)が発生しやすいです。私はサワラ狙いであれば、フワッとしたシャクリを多用したいので、リアフックは付けません。
サワラ対策ベイトタックル
ベイトタックルはPE2号、フロロ6号の先にフロロ14~30号を2~3mぐらいつけます。フロロ同士をFGノットで結束すれば、結束部分をリールまで巻き込むことができます。めんどうであれば妥協案として、先糸フロロ14~30号を50cm電車結びです。上記の激流ポイントでは極太部分は外したほうがいいですが、釣果的にはリーダーが太くても青物は関係無しに食ってくる印象です。
サワラ対策スピニングタックル
スピニングタックルはキャスト前提なので先糸は実用的でないです。最初から太めのラインシステムで、PE3~4号、リーダーはフロロカーボンまたはナイロン12~16号を1.5mぐらいでやります。この1.5mというのはロッド長さに依存する長さです。FGノット部分をリールに巻き込まない、かつなるべく長くという条件の結果です。ノット部分をリールに巻き込むと、キャスト直後にラインがガイドに絡まりやすく、反発力でメタルジグとフックが自分にめがけて飛んでくるので非常に危険です。本格的なキャスティングでは手元から2個目のガイドあたりにノットが来るように指示する船長もいます。
スピニングは明石としては太めのシステムでやってますが、これはサワラ対策でなるべく太いリーダーを使いたいという理由です。水深、潮流条件の厳しいところは基本的にベイトタックルでやります。スピニングは浅瀬メインとなるのでラインが少し太くても気になりません。重量物をアンダーハンドでキャストするだけなので、PEを少し太くしたところで飛距離もほぼ変わりません。

タイラバ
最近のタイラバ、明石ではどこの船も妙に釣果が安定している印象です。たぶんポイント、仕掛け、釣り方が熟成されてきた?
カブラですが、明石では、スカートがほぼ不要という説。市販品でスカートがしっかりしたものを使う場合は、ハサミでカットして大幅に減らすようにしています。
針は、いつもピンピンに尖っているか、指で触って確認してください。指先に軽く触れただけですぐ皮膚に刺さるぐらいでないと、アタリばっかりで釣れないです。
ちょっとでも尖りが甘いと感じたら、ヤスリがけします。
ヘッドは、どのようなものを使っても釣果にはほとんど関係なし。と、ある船長が言ってましたし、自分の経験の範囲でも同意できます。無塗装の鯛玉でも問題なく釣れます。
最近は、ほとんどこれしか売ってないと思いますが、穴が貫通した誘導タイプを使います。
リーリングは等速巻が基本ですが、釣りをしたことがない程度の初心者であれば、これが結構難しそうに見えます。タイラバは初心者も多い。
スピニングタックルでキャスティングタイラバをやる遊漁船も増えていますが、基本はベイトタックルでひたすらバーチカルに攻めます。高価なロッドも出ていますが、釣果にはあまり関係ないはず。ただし高い竿はアタリの出方が気持ちいいというのは絶対あります。
最近はベロベロの柔らかいロッドよりもちょっと硬め、Mクラスがトレンドのようです。タダ巻きの向こう合わせでフッキングがしっかり決まります。
タイラバに最適なベイトリール
タイラバは入門者もやりやすい釣りであることからも顧客数が多く、炎月シリーズ、紅牙シリーズなど多くの専用リールも出されています。結局は巻くだけなので専用である必要はない。
ただし、半日あるいは丸一日ひたすら底取りと等速リーリングをやることになるので、集中力を維持させるためにもある程度、適正のあるリールを使いたい。小型軽量、カウンター付き、ダブルハンドルといった条件が揃ったベイトリールが無難な選択となる。
カウンターは巻心地の良い上位リールは付いていないことが多く賛否が分かれるが、特に慣れていない人は、カウンター数値が底取りの補助となり、結果疲れが少ないように感じる。ヘッドが水底でバウンドするようなイメージで、着底後すぐにリーリングすることもアタリを出すコツの一つで、これを丸一日やろうとするとカウンター付きがやりやすい。
また、上位モデルにある連動レベルワインドも賛否両論ある。フォール速度が安定するとは思うが、非連動のものよりフォールが遅い。プレジャーボートのような釣りであれば、全く関係ないかもしれないが、船長の合図で一斉に仕掛けを投入する遊漁船は、流しの一投目で着底の早い者が有利なように思える。わずかな違いであるが、一日これを繰り返せば釣果となって表れてきそうである。
タチウオテンヤ
イワシの頭に見せたヘッドと大きなフックが特徴。明石では40号か50号を使うことが多く、予約時に船長に確認が必要です。ワイヤーはオマツリ時に相手のPEラインを傷つけることが多く、使用禁止の場合あり。ナイロン14号以上あれば、切られることはほぼ無いはず。
餌は船で用意してくれる場合もあり、これも船長に確認が必要。基本は冷凍イワシで、サンマとか使う人もいる。オススメは生の食用イワシを前日に魚屋で買って、新聞紙を厚くひいた上で塩まみれにする。これを冷蔵庫で冷やしながら半日以上かけて水分をしっかり抜く。身が固くて崩れにくく、時合いでの手返しが良くなり、釣果アップにつながる。
低活性時は比較的ボトム付近で溜まっていることが多い。誘いも控えめで食わせる釣りになる。
高活性時はタナが浮いている。
電動リールを使う人が多いが、手巻きのベイトリール(ライトジギング用)を使う人も多い。PEラインは0.8号で強度的には足りるが、水深が比較的深く、潮の流れも早い、オマツリ原因のラインブレイクを防ぐためなどの理由で、船指定のPE太さは様々となる。船長に従う。
明石、須磨出船の遊漁船が行くのは、だいたい須磨沖の水深90mぐらいのところがメイン。底は砂地らしく、根掛りはほぼ無し。ここであまり釣れない時期は、洲本沖の水深140mぐらいのところに燃料追加料金で遠征する場合も結構ある。これらの他にもポイントはいくらかあります。
タチウオテンヤによる釣り分け
この釣り方のメリットは、サイズの釣り分けがある程度可能なところです。
竿は先調子の専用竿がやりやすい。タナがボトムから浮いて中層にあるときは、比較的高活性で、テンヤのアクションでの誘いで追っかけてくることが多い。ただし、簡単に食わせてしまうよりも、むしろ逃げるイメージで、早めのピッチで誘う。結果、遊泳能力の高い大きなサイズのタチウオを釣り分けることになる。
アタリは、コツンだと誘い逃げがまだ可能で、逃げてサイズアップを狙う。フワッとしたテンション抜けは完全にテンヤを咥えているので、アワセたほうがいい。アワセは竿を振り上げるだけではストロークが足りないことがあり、むしろ早巻きを意識したほうがいい。

タチウオジギング
タックル説明から。専用竿もあるが、基本的にはジギングまたはライトジギング用のベイトタックルの流用でも十分できる。
捕食が下手といわれるタチウオはジグを噛みはずして、ラインを噛んでしまうことがよくある。これを防ぐためジャークは入れず、ワンピッチで大人しくシャクっていく。
ただし、ラインブレイクをあまり気にしすぎると、誘いのバリエーションが少なく全く釣れないケースもある。
6号以上リーダーを10m程度、先端には14号以上程度の太い先糸を1mほど付けると、ほぼ切られることはないので、激しいジャークを含め様々な誘いパターンを試すことができる。
テンヤとジキングどちらでも自由にやっていい船もあるが、船長に事前確認が必要です。
低活性時は餌が付いているタチウオテンヤが有利で、アクション控えめでしっかり食わせるイメージです。
高活性時は手返し抜群のジギングが有利で数釣りできるが、サイズの釣り分けとなるとテンヤのほうがやりやすく感じる。
イカメタル
おおよそ6月~秋ぐらいの期間で、日本海で狙うケンサキイカの釣り。大阪を起点とすると、小浜、丹後あたり。絶対距離わずかに遠いが高速&バイパス完備の鳥取も車で行きやすく遊漁船も多い。これらの他にも小規模な港の遊漁船も多数ある。
明石でもわずかにケンサキイカの遊漁船があるが、サイズが小さく行こうとする人は少ない。
呼び名はケンサキイカのほか、(東)小浜方面でマイカ、(西)鳥取方面でシロイカと使い分けられる。境界線は兵庫県のあたりだろうか。どちらの呼び方でも通じる。

イカメタルの仕掛け
昔ながらの電動リール+多連スッテは、爆釣時には処理に困るほど釣れるが、全く釣れない夜も多い。
イカメタルは1~3個までのエギ、スッテ、鉛スッテなどを仕掛けに使い、アクションでの誘いを重視した釣り。ゲーム性が高く、腕が上がれば釣果も安定するため、近年の遊漁船ではイカメタル釣法の船のほうが恐らく多い。潮の状況と船長の方針によっては、竿2本の使用がOKで、多連スッテとイカメタルの同時使用が許可される場合もある。
ただし、高活性時を除くと、基本的には初心者が釣るのは難しい。真夏の夜釣りで日焼けもしないので、初心者を同伴させがちであるが、楽しんでもらえるかどうかは賭けとなる。
オバマリグ
先端に鉛スッテ、エダスにエギあるいはスッテを付けて、合計2~3つのカンナとなる。一般的な釣具屋でスナップ付きの仕掛けが売っている。
中活性時、高活性時で手返し良く、ダブルやトリプルの可能性もある。
アクションが単調になりやすく、上級者でないと低活性時は苦労する。
潮が比較的緩い小浜は年中使えることが多い。
潮が早いと流されやすく使い物にならない。
新子が多数釣れる秋にはなるべく使いたい。
オモリグ(中おもり式)
中おもりを重くするのが簡単なので、潮が早いポイントで使いやすい。
専用エギもあるが、普通のオカッパリアオリ用エギと釣果の優劣を感じない。
エギ独特のリアルなアクションが使えるので、ボトムに張り付いた低活性時も活躍する。
スピニングタックル
投げ重視はスピニングタックル。主に高活性時に集魚灯の明かりの明暗部に仕掛けを投げ入れると、サイズアップが狙える。
スピニングタックルは中おもり式(オモリグ)との相性もよく、投げて、ボトム付近を探索しながらアクションを入れていくと、低活性時でも何とか釣り上げる結果を導き出せる。専用竿がやりやすいが、高感度の柔らかい穂先で重量のある仕掛けを投げるため、破損しやすいのが難点。上級者は硬めのエギングロッドを使う人もいるが、初心者には難しい。他に、代用竿として一つテンヤ、キャスティングタイラバなど真鯛をターゲットとしたロッドを使う人もいる。ロッドは穂先が明色でペイントされたものでないと、夜間の集魚灯のなかで、目感度が維持できず苦労する。
ベイトタックル
大手メーカーが発売しだしてからは、イカメタル専用ロッド使用者が増えた。かつては、タイラバロッドなどの代用者が多い。概ねイカメタルロッドのほうがアタリの出方が繊細で、楽しめる。釣果は専用でも代用でも、変わらない感じだが、やはりティップがホワイトとかでないとアタリの確認で目が疲れる。リールは小型のカウンター付きがやりやすい。仕掛けを棚の上下に追従させることを意識することが多いので、カウンターで確認しながらの釣りとなる。夜間の集魚灯なのでラインカラーで糸出し量を確認するのはやりにくい。
タイサビキ
瀬戸内で広く行われているらしいが、ここでは小豆島周辺について。
毎年シーズンにズレがあり、さらにシーズン自体が無い!?というほど釣れない年もある。概ねベイトは12~1月の海苔パターン、2~3月のシラスパターンに分けられ、仕掛けが微妙に変わる。
冬場の鯛は水温低下で活性が低くなり、一箇所に集まって越冬する。基本的に活性は低いのだが、密集度が高く、そこを長いサビキ仕掛けで誘惑していくというもの。
一度、食い気を誘い出すことができれば、連掛けありの爆釣となりやすいのが、この釣りの魅力である。
竿はタイラバロッドを流用する人が結構いる。タイラバと比較して、巻きスピードが断然遅いので、仕掛けがうねりの影響を受けやすい。より仕掛けを安定させるためにもタイラバ用よりも長く作られた専用ロッドが望ましいし、釣果にも影響してそう。
リールは基本的には小型ベイトリールで、タイラバと共用できるケースが多い。スロー巻きしか、アタリが出ないパターンもあり、ロングハンドルや巻が滑らかな上位リールの使用が望まれる。

海苔パターン
雑食性の鯛は海苔も大好き。ビニール紐のような疑似餌のついたサビキで、後述のシラスパターンと比較して、太め長めのハリスで針も大きめの傾向がある。ハリス3号4号で全長20mぐらいのサビキを使うことが多い。仕掛けが長くなるが、フロロカーボン4号以上だとかなり張りもあるので、扱いが慣れれば致命的に絡むことが少なく、一日中、仕掛けを保たせることができる。
シラスパターン
サバ皮のサビキをつかう。ハリスを細くすることによる効果を得やすく、1.5号ぐらいを使うことが多い。絡みやすいのでサビキ仕掛けを頻繁に交換するか、全長を10mぐらいまで短くするかの対策がいる。海水に浸けて上下させてるだけで、仕掛けがヘタってくるので、全く絡まなくても途中で何度か仕掛けを新調したほうが、釣果は良い。
チョクリ?ちょぐり?
岡山の船で多いのがチョクリかチョグリと呼ばれる釣り方。サビキのフォールから上げの切り返しの時に、鯛の食い気が誘発されるという特徴があり、この弱点をひたすら攻めるというもの。3.5m前後のやや張りのある竿(柔らかい部類であるが、ベロベロではない)を使い、リールによる巻き上げでは誘わず、竿の上下だけで誘う。
タコ釣り(明石マダコ)
仕掛けはテンヤによる釣法も今でも健在だと思うが、特にゲーム性が求められる遊漁船においては、タコエギやタコスッテと呼ばれる仕掛けが主流となりつつある。デビルクラッカーなどのワーム素材の仕掛けも人気がある。
タコエギ、タコスッテの優位性は、真下に垂らしたときの姿勢の良さ、根掛りの少なさにある。テンヤは糸出しを増やして仕掛けの姿勢を斜めにしないとタコが乗りにくかった。タコエギ、タコスッテではこのあたりが改良されており、糸出し量を少なくできる。遊漁船でもオマツリしにくい。カンナ針が浮いて、底を擦らない設計になっており、根掛りもしにくい。
釣り方はやや特殊で、上級者と初心者で釣果に差が出る。
潮の流れを使って、ボトムを這わせる。オモリが完全に浮いてしまわないように、わずかに上下させてルアーにアクションを加える。このとき穂先の動きが妙に悪くなったらタコが乗っている。一瞬、間を置いて、しっかりフッキングを入れる。速やかに引き上げないと、タコが岩に張り付いてしまう。大型タコだと、岩に張り付かれたのか、根掛りだったのか良くわからないままラインブレイクとなることもある。
タコ釣りタックル
スピニングタックルのメリットは潮下となった場合にキャストして、流しのラインを外すことができるということ。釣り人が横一列に並ぶ遊漁船では、きっちり潮下になってしまうことがあり、特にタコは潮上断然有利で、潮下は釣りづらくなる。
ベイトタックルのメリットは、ベイトリール特有のゴリ巻き性能となる。キロクラス以上のタコが乗ると巻き上げも大変だが、個人的にはジギング用を流用のベイトリールが巻き上げやすい。
スピニングリールについてもジギング用を流用しており、遊泳能力の低いタコでも重量があるので、ドラグ性能こそ不要だが、安いリールだとギアを傷めてしまうので注意が必要。
竿は専用の先調子が誘いやすく、アタリも取りやすい。比較的初心者も参加しがちな釣りだけに、道具もピンキリ。安いものは専用竿、リールともに安物買いの銭失いになりやすい。中途半端な専用タックルを買うぐらいならジギング用のタフなタックルを流用したほうがまだ良い。
